MESSAGE

経営者メッセージ

「つくり場」に磨きをかけて、
さらなる成長と新たな目標達成をめざす

当社グループは、アジア5か国に工場を展開し、主に国内のアパレルメーカー向けに、衣服の縫製や素材の開発・加工を行っています。2021年5月に2022年3月期から2026年3月期の5年間を計画期間とする中期経営計画「ビジョン2025」を策定し、2024年3月期から第2期がスタートしました。

2024年3月期においては、アパレル製品の需要は戻りつつあるものの、期初に想定していたとおり在庫調整の1年となり、加えて期の後半では暖冬等の天候不順が影響して追加発注が弱含みで推移するなど、受注獲得に苦戦しました。一方で、第1期で新設した工場を中心に生産能力の拡大を進め、引き続き中国からASEAN諸国等への生産地シフトに注力しました。これにより、自社生産比率が向上するとともに、生産コストの削減等による利益拡大に貢献しました。自社工場ならではの強みを活かし、生産ロスの削減や受注量に合わせた適正な生産ラインおよび人員配置等の実施によって生産効率を高めたことで、利益率アップにつながりました。

コロナ禍を経て、アパレル業界を取り巻く環境やサプライチェーンの在り方は大きく変容しました。縫製工場(つくり場)の減少を背景として、顧客がリスク回避のために生産地を見直す傾向が強まり、足もとでは消費者の選別消費が一層加速していることも影響して、小ロット短リードでの発注が一層増えるものと想定しております。2025年3月期では、このような環境変化に対し、当社グループの強みである生産拠点網を活かした最適地生産の提案等を通じて柔軟に対応するほか、顧客ニーズに合わせて商品構成を変えながらより付加価値の高いアイテムの生産に取り組んでまいります。

かねてより注力している中国からASEAN諸国等への生産地シフトは順調に推移していますが、原材料や輸送費など生産コストの上昇が続くなか、コスト競争力の高いベトナム・バングラデシュを中心としたASEAN諸国等での生産を強化し、さらなる生産効率と利益率の向上に取り組むことで収益性の高い経営を目指します。

中期経営計画「ビジョン2025」は、第2期の後半に差し掛かっています。アパレル業界の構造変革も一層進むと想定されるなか、他社に先駆けて海外での生産に着手し、それぞれの国で品質の高いものづくりに取り組んできた実績は、さらなる成長をめざすうえで欠かせない強みであり、他社にはない優位性であると考えております。引き続き「メイドインマツオカのものづくり」をより鮮明に打ち出しながら、それぞれの「つくり場」で生産能力と生産効率の向上を図り、収益力の高い経営構造を目指して邁進する所存です。

今後とも皆様のご理解と一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役