APPROACH

サステナビリティへの考え方

わたしたちが可視化や
透明化にこだわる理由


持続可能性が大切にされるようになり、大量消費を前提としていたものづくりが未来へ向けて大きく舵を切っています。わたしたちファッション業界の縫製業も、環境問題や働く人の権利など、多くの面で改善が進んでいます。スクラップアンドビルドが限界を迎えたいま、解決するべき課題に向けて最も重要なポイントが「可視化」していくこと。事実に基づいたデータを開示し、あらゆるプロセスを「透明化」することで、はじめて問題意識をシェアできるとわたしたちは考えています。未来への可能性を賭けたこの取り組みをムードや流行で終わらせないために、わたしたちは状況の可視化と組織の透明化にこだわります。

目の前の一歩に取り組む

縫製業というのは、人がいなければできない仕事です。ですから、わたしたちはより豊かな労働力を求めて生産現場を海外へ移し、その地域に産業を生むことで成長してきました。しかし、そのような生産現場の新規開拓も限界を迎えようとしています。これからのものづくりは生産能力だけでなく、「製造責任」と「説明責任」が求められます。「誰が」「どこで」「どのように」つくられたのかをいつでも説明できること。自社工場でものづくりをしているわたしたちは、いち早くそのデータの開示と問題の改善に取り組んできました。それは、大きく未来を変えるために必要な一歩なのです。

わたしたちのサステナビリティ

わたしたち工場がなるべく長きにわたって地域に根差すことを大切にしています。工場のキャパシティを安定して稼働させ、適切な収益を上げて約20,000人の仲間の生活を守る。地域へ貢献し、その国に税金を納めることは簡単に諦められないのです。とくに、わたしたちの工場がある途上国において、縫製業は女性の雇用と家計の収入を支えています。それだけに大きな責任も感じています。工場ごとに工夫しながら、朝食や昼食を提供したり、託児所や医務室を設置する。さらに、教育環境を充実させることで学んだことを家庭や地域コミュニティでも実践してもらえるように取り組んでいます。これはいわゆるSDGsのアクションですが、そもそもわたしたちは自分たちの事業を継続させるためにずっと続けてきたことなのです。それを社会が「いいね」と言ってくれる時代になった。だからこそわたしたちは勇気を持って、正しいことを正しいと伝えていきたいと思います。

縫製業を次のステージに!

いま、IT技術やロボティクスなどめざましい技術の進歩によって、距離と言葉の壁がどんどん無くなっています。誰もが自由にコミュニケーションができるようになった時、どこでものをつくって欲しいと思うのか。どこでつくられたものを選ぶのか。なによりも大切なのは、信用ではないでしょうか。だから、わたしたちはさまざまなプロセスを透明化し、あらゆる状況を可視化できるように取り組んでいます。隠し事のない工場は、いわば「強い工場」でもあります。だからこそ設備や人材に積極的に投資をして、世界で戦える強い工場を目指しています。だれもが「こんな工場で自社の製品をつくりたい」「この工場でつくられた製品を手にしたい」と思ってもらえれば、ものづくりはまだまだ成長する産業だと考えています。服を着る人も、服をつくる人も、みんなが幸せになれる世界を目指して、これからもわたしたちは真面目で実直な会社ありたいと思います。

常務執行役員 事業本部長 兼 事業1部長

渡邉 篤史

WATANABE Atsushi