CROSS TALK 4

仕事の舞台はグローバルへ

ASEAN諸国等を中心に自社工場を展開するマツオカ。日本国内のお客さまを中心に成長してきましたが、今後はヨーロッパやアメリカも視野に活躍の場を広げていくようです。ベテランの営業スタッフと新人によるクロストークから見える、マツオカの可能性に迫ります。

営業とは、自分の言葉で伝える仕事

三人はどのようなメンバーですか?

水津

この三人は基本的に営業を担当するチームです。私は前職も縫製メーカーで、中途でこの会社に入社しました。最初は営業をサポートする「業務」を5年ほど経験してから営業の担当になりました。

長島

私は入社20年目で、紳士服のアパレルメーカーから転職してきました。私の場合は最初から営業と業務を並行して担当してきました。

中川

私はもともと企画としてキャリア採用で入社したのですが、昨年から営業に配置されました。長島と同じように、お客さまの窓口を担当しながら業務も覚えているという状態です。

長島

マツオカの営業って、他社のようにガンガン攻めていくイメージではなく、自社工場のリソースを管理しながらお客さまのオーダーをマネジメントしていく仕事だと思うんだけど、中川君は1年やってみてどんな感じ?

中川

製品をつくることに関しては割と受け答えできるようになってきたんですけど、やっぱり納期とか全体の流れの話になるとまだ自信が持てなくて……。

水津

確かに業務を担当せずに営業に配属されたから、不安な部分はあるかもしれないね。でも、そのぶんお客さまのニーズと工場のニーズを摺り合わせるバランス感覚は、覚えるのが早いと思うよ。

長島

うちは自社工場でモノをつくっているから、その責任から逃れることができないんだよね。お客さまも営業に聞けばすべてのプロセスに明確な答えが返ってくることを期待している。特にうちはプロセスを細かくすることでミスを防いで品質を保っているから、全体の流れを把握するのはまだ大変かもしれない。その辺は僕らがしっかりサポートしていくから、どんどん聞いて欲しい。

中川

改めて、モノをつくることの大変さを実感しています。ひとつの品番を任されるだけでも手順が多くて。緻密な作業フローを知って、自分の会社ながら「これは凄いな」と改めて思いました。お客さまと接していて感じるのは、凄く「自分の言葉」を求められているということ。できあがった製品を売ってくるなら誰が話しても同じ内容なのかもしれないけれど、僕らは「自社工場の能力」を魅力的に見せなければいけない。だから自分なりの言葉で説明しないとお客さまに伝わらないんです。そのためにも、早く分からないことを減らして、自信を持って自分の言葉で伝えられるようにならないといけないなと思っています。

安全に転ぶことも大切

難しい仕事ですが、どのように覚えていくのでしょうか?

水津

ある程度の場数は必要だと思います。ビジネスにもさまざまな場面がありますので、その場の雰囲気に慣れることは経験でしか身につきません。ですから、中川のように実戦から鍛えていくやり方も必要ではないかと思っています。会社の「行動基準」にも「間違ってもよい、すぐに報告し改善せよ」「問題は起きる、原因を究明し再発を防げ」とあるように、前向きな失敗には寛容な社風だと思います。

長島

例えば打ち合わせの準備を任せて、一生懸命やっている姿を見ていると「あれ用意したかな?」と不安になることがあるんです。でも、あえてそのまま行かせて小さな失敗として経験してもらう。その場の空気の変化も含めて、責任感や自分で考えることの大切さを知ることで色々なことが学べるんです。

中川

そうなんですけど、できれば失敗はあまり経験したくないというのがホンネです(笑)。事前に色々と教えてもらえると嬉しいです。

長島

そうだよね(笑)。会社としても失敗しないようにしっかり教育してから前線に立たせる方が効率は良いと思う。でも、ミスや問題って同じことが繰り返されるわけじゃないから、自力で必死にクリアしなければいけないときが来るんだよ。あえてミスをさせる教育というのは、本来手間やリスクの方が大きいんだけど、僕らがフォローできる範囲でそこを経験させる方が丁寧なんじゃないかと思うんだよね。

水津

さっき話してくれた本音はとても大事で、僕らに言えないことはお客さまにも言えないことが多いと思う。だから、不満や希望もきちんと伝えていける関係を築きたいと思うんだ。大きなミスやトラブルをして自信を喪失することがこの仕事では一番怖い。それよりも、失敗を恐れずに自分の個性を活かして営業できるように成長してくれると嬉しいです。僕らの真似をしてもしょうがないんだから(笑)。

たくさんの家族を支える大黒柱

大切な心構えはどんなものですか?

水津

僕らの仕事の難しさって、「どんどん売ってこい!」といえないところにあるんです。自社工場のキャパシティは決まっていて、どの工場も安定して稼働させることが理想なんです。それがお客さまにも最適なコストと安全な納期で高い品質の製品を納品できることに繋がる。

長島

だから僕ら営業チームは全員の状況を常に共有しているんです。オーダーの見込みと仕掛かりの状況を見ながら、どの工場にどのオーダーをどれくらいまわしていくか。これを常に安定させないといけないので、営業チームだけでなく工場やお客さまとの信頼関係がなければ成立しない仕事ですよね。

中川

確かに、僕がオーダーを取ってきた時もすぐに「さてどうするか」という話になりましたね。

水津

手放しで喜んであげられなくて申し訳ない。でもその通りで、オーダーが入って最初に浮かぶのは、これらの工場で働いている仲間のこと。お客様の要望と工場のバランスをどうとるかを考えることは自社工場を稼働させていることの宿命であり、一番難しい部分かもしれない。

中川

僕らの判断ひとつでたくさんの仲間に大きな影響が出るわけですもんね。

長島

だからチームで連携して、できるだけスムーズに調整して行く必要があるんだよ。今までだってみんなで助け合うことで、なんとか乗り越えてきたんだから。

これからは世界が舞台

これからどんな仲間と一緒に働いていきたいですか?

長島

今は日本のお客さまがメインなので、これからはヨーロッパやアメリカなど、世界のマーケットへ出て行く必要があると思います。コロナウィルスの蔓延によってオンラインでの商談なども浸透してきました。翻訳のチームもいるので、言葉と距離の壁が一気になくなった感じはありますよね。

中川

企画として入社して半年ぐらい経ったとき、ベトナム工場の立ち上げを視察させてもらいました。それから毎月のようにベトナム出張があって、工場の人とコミュニケーションが取れる良い機会になりました。またああいう出張が増えると良いですね。

水津

現場で学ぶことは大きいよね。工場の雰囲気とか、働いている人の活気、どんな町で製品がつくられているのかを実際に見て経験することは大事だよ。それが、冒頭に言っていた「自分の言葉」に繋がるし、自分の目で見てきたことや直接話を聞いてきたという事実が自信に繋がる。海外のマーケットも外せない領域だから、これから海外を舞台にした仕事は増えるんじゃないかな。

長島

コロナ以前の話になりますが、自社工場のあるエリア以外だとドイツの展示会に出張で行きました。水津さんも以前アメリカに仕事で行っていたよね?

水津

行きました。中国やASEAN諸国等が多かったので、新鮮な体験でした。やっぱり違う世界を見てくるといろんな発想も浮かぶし、人や工場とのつながりも広がるよね。

中川

企画の出身としては糸やボタンなどのパーツを仕入れる先が広がることに期待したいですね。新しい提案ができれば営業のやり方も増える気がします。

長島

その意気で頑張れ!

※ 所属部署やインタビュー内容等は、取材当時のものです